
スカヨハことスカーレットヨハンソン主演の
実写版ゴーストインザシェル を見てきました
ちなみに吹き替え版で鑑賞
原作のコミック、押井守監督映画
SAC好きな自分としては
前評判やら実写で伴う諸々の不安を感じつつも
思っていた以上に楽しめたので
簡単に感想と軽いネタバレについてまとめました
ミラって誰だよ(哲学) 設定はところどころ別モノ
公開少し前にツイッターで話題になった話として
「主人公のミラ・キリアンはテロに巻き込まれて体を失い
義体化することで生き延びた」
ミラって誰だよ、SACの新キャラか?
という設定改変について話題になりました
結論から言えば世界観や公安9課などの設定は同一ながらも
SACで登場したクゼ・ヒデオが人形使いポジションの悪役だったり
バトーの目が最初は義体化されてなかったりと
あちこちで設定が改変されています。
少佐についてもミラ・キリアンという名前が与えられていたり
劇中にて少佐にとって重要なキーパーソンとして扱われる
「モトコ」というキャラクターが出ていたりと
名前や設定は残しつつ、パラレルワールドの一つとしての
ゴーストインザシェル、というのが正しいですね……
とはいってもそもそも押井守版のゴーストインザシェルも
原作コミックから見れば
- バトーのキャラクターがひょうきんなおっさんからハードボイルドに
- 原作の重要要素であるタチコマが全く出てこない
- 少佐のビジュアルがより無表情、機械を強調している
……とかなり改変しているので
設定の変更については今更、という見方もできなくはないかも
あとネタバレをかますと
今回の少佐はちゃんと
ミラ・キリアン でありつつ 草薙素子 です
構図や展開に所々押井監督版そのものへのリスペクトが

↑ 予告編にもあった一枚
- 冒頭シーンの少佐の義体構築シーン
- 自室で目覚める少佐
- 多脚戦車に頭をわしづかみにされ握りつぶされかける
- 羽を開いたヘリに狙撃される
とにかく細かいシーンや構図で
押井版そのもの、といわんばかりの見せ方が多かった
特に多脚戦車に握りつぶされかけるシーンは
真顔のまま潰されかける、っていうところまで完全に一致
さらに言えば頭をわしづかみにした後
軽く左に振り回してから握りつぶす流れまで合致
そこまで再現するのか!? と感動しました
映画オリジナルのキャラクターの検視医さんが
イノセンスのハサウェイと同じスモーカーで
目の部分を義体かしている、といった
ガジェットの部分もきっちり踏襲していたのは
原作好きだった自分としてはうれしいポイントでした。
イノセンスでバトーの拠り所として書かれていた
バセットハウンドもちゃんと登場していたのが細かい
ちなみに同じ押井監督の実写映画「アヴァロン」でも
主人公が飼っていた犬も同じバセットハウンドだったり
そうした押井監督作品の 「犬」 要素が
所々に登場するのが非常に細かく、原作愛を感じましたね
まとめ 新しい、まさしく「ハリウッド式の ゴーストインザシェル 」

- 原作を知っていると楽しめる要素は結構あり
- ただしあくまで 「別の」 ゴーストインザシェル
吹き替えで見た感想としてはこのあたり
ハリウッド的解釈や改変はあるけども
思っていたよりも楽しめました
あとやたら背景のビル看板でイノセンスを勧められる
スカーレットヨハンソン演じるメスゴリラ「少佐」も
日本語吹き替えの田中敦子氏の演技の影響もあったと思いますが
原作にあったタンクトップ+ブルゾンで街中を歩き回る姿は
まさしく少佐そのもので好印象
一方でビートたけし氏はセリフが聞き取りにくい場面があったのが残念……
美術や小道具に関わった方は
相当愛着がある上で研究したんだろうなあというのが感じられます
原作を知っていて、ある程度細かいところは流せるタイプの方はオススメです
結論:原作改変はあるが予想以上に楽しめる
そもそもその原作も押井監督版から入った自分は
コミック版のバトーのひょうきんっぷりとか
少佐のナメクジの交尾(隠喩)のシーンとかでド肝を抜かれた覚えが
そういう意味でなんどもアレンジを繰り返してきた作品なので
それのハリウッド風味、というところでしょうか
映画しか見たことが無い、スカヨハから攻殻機動隊を知ったという方は
原作コミックの濃厚な枠外世界観解説長文含めてオススメです
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